漢方薬には副作用がない ー漢方にありがちな7つの誤解(その①)

 結論から言うと。あります。副作用。

「漢方」はとかく「自然」「体にいい」「優しい」「穏やか」などと言われがちですが、漢方薬を構成している生薬の中には、猛毒を持ったものや(例えばトリカブトなど)、長期間服用することで人体に悪影響を及ぼすもの、過敏症やアレルギーを引き起こすものなどがあります。

 だからこそ、漢方薬を服用するときには、漢方医や薬剤師など、専門知識を持った人々による処方と指導・管理が必須なのです。

 では、具体的にはどのような副作用があるのでしょうか?

 ここからは「いちばんわかる! 東洋医学のきほん帳」という本を参考に、副作用についてみていきましょう。

 本によると、副作用とは「有害で意図しない作用」のことであると説明されています。
「量が過剰」だったり、「併用する薬が正しくないこと」でも起こるそう。

 副作用を引き起こす生薬の例として、次の6つが挙げられています。
 それぞれの症状も一緒に書いておきます。

【生薬名】【主な症状】
甘草(かんぞう)血圧の上昇、だるさ、むくみ、尿の減少など。
麻黄(まおう)血圧の上昇、不眠、胃腸障害、不整脈など。
桂枝・桂皮(けいひ・けいし)皮膚のかゆみ、湿疹など。
地黄(じおう)胃の不快感、下痢、胸やけなど。
大黄(だいおう)下痢、食欲不振など。
人参(にんじん)血圧の上昇、のぼせ、口の渇きなど。
「いちばんわかる! 東洋医学のきほん帳」より引用

 個人的になじみがあるのは「甘草」と「桂枝・桂皮」「大黄」「人参」あたりでしょうか。

 甘草はメジャーな生薬ということもあり、目にする機会が多いです。
 ということは、服用する量も自然多くなるわけでして…、もちろん一日の限度量を超えることはないのですが(病院処方であれば、その辺はきちんと管理してくれる)、個人的には、副作用があるものとして、頭の隅には入れております。

 麻黄、桂枝・桂皮は「葛根湯」に配合されているので、飲んだことがある方も多いのではないでしょうか。大黄、人参あたりも個人的にはなじみがありますが、特に、大黄は、飲むとしても服用期間が短いので、そこまで気にしたことはありません。

 漢方薬の副作用で特に注意したいのはアレルギー反応でしょうか。
 本によると、アレルギー反応は服用して初めてわかることが多いとのことなので、お薬を飲んでみて「おかしいな?」と思ったときにはすぐにお医者さんに相談しましょう。
 また、妊婦さんが服用する場合は、必ずお医者さんに相談してください。
 

★参考文献)「いちばんわかる! 東洋医学のきほん帳」/伊藤剛/学研